こんにちは、AYLBlog を運営しているRyoです。
今回は米国市場全体に投資が出来るETF『VTI』とS&P500に連動するETF『VOO/IVV』の比較を行っていきます。
VOOだけでなくIVVとの比較も行っていく理由は、VOOに対してIVVが10年早く誕生しているため、時間軸を変えたらどういった結果になるかを確認していくためです。
この記事は下記のようなことを知りたい方におすすめの記事になっています。
▷ VTI、VOO、IVVの基本情報
▷ VTI、VOO、IVVの違い
▷ VTIとVOOに一括投資/積立投資をした場合のリスク・リターン比較
▷ VTIとIVVに一括投資/積立投資をした場合のリスク・リターン比較
最初にこの記事の結論を言ってしまいます。
▷ 一括投資をする場合は切り取る期間によってどちらが優勢か変わってくるため、
・米国市場全体に投資をしたいのか
・米国を代表する500社に投資をしたいのか
という考えをもとにどちらに投資をするのかを選択する。
▷ 積立投資をする場合はどちらのETFに投資をしたとしてもほとんど差がない。
なぜこのような結論になるのかを解説していきます。
VTI、VOO、IVVの基本情報

まず初めにVTIやVOO、IVVの基本情報について解説していきます。
VTIの基本情報
名称:Vanguard Total Stock Market ETF(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)
連動指数:CRSP US Total Market Index(インデックスティッカー:CRSPTM1)
運用会社:Vanguard(バンガード)
ファンドの設定日:2001年5月24日
組み入れ銘柄数:4139銘柄
純資産総額:32兆4443億円(2022/2/12の為替レート換算)
経費率:0.03%
直近配当利回り:1.46%
配当金支払月:3月、6月、9月、12月
VTIについてより詳しく知りたいという方は『【米国ETF】VTIの株価や配当金、連動指数、年平均リターンなどの基本情報について徹底解説』をご覧ください。
VOOの基本情報
名称:Vanguard S&P500 ETF(バンガード S&P500 ETF)
連動指数:S&P500 Index(インデックスティッカー:SPX)
運用会社:Vanguard(バンガード)
ファンドの設定日:2010年9月7日
組み入れ銘柄数:507銘柄
純資産総額:32兆1143億円(2022/2/12の為替レート換算)
経費率:0.03%
直近配当利回り:1.51%
配当金支払月:3月、6月、9月、12月
IVVの基本情報
名称:iShares Core S&P 500 ETF(iシェアーズ・コア S&P500 ETF)
連動指数:S&P500 Index(インデックスティッカー:SPX)
運用会社:BlackRock(ブラックロック)
ファンドの設定日:2000年5月15日
組み入れ銘柄数:505銘柄
純資産総額:37兆1653億円(2022/2/12の為替レート換算)
経費率:0.03%
直近配当利回り:1.35%
配当金支払月:3月、6月、9月、12月
VTI、VOO、IVVの違い
基本的にVOOとIVVの違いは設定日以外ほとんどないため、ここではVTIとVOO/IVVの違いについて解説していきます。
VTIは小型株~大型株まで幅広く、VOO/IVVは大型株のみ
VTIは小型株~大型株まで幅広く分散投資されているため、小型株や中型株の成長の恩恵を受けることが出来ますが、S&P500に連動するVOOやIVVは大型株のみの構成になっているため、小型株や中型株の成長の恩恵は受けることが出来ません。
しかし、反対にVTIは小型株や中型株が下落した時はその影響も受けてしまいます。
組み入れ銘柄数による各銘柄の保有割合
VTIは4000銘柄以上に分散投資されているため、S&P500に連動するVOO/IVVに比べると各銘柄の保有割合が低くなります。
組み入れ銘柄の上位10銘柄がPF全体における占める割合がVTIの場合24.18%、VOO/IVVの場合は28.27%となっています。
例えばアップルの個別株を保有する勇気はないが、アップルへの投資割合が高い方が良いと考える方にはVTIよりもVOO/IVVの方がおすすめになります。
組み入れ銘柄数によるセクター構成比率
こちらに関しても上記と同じくVTIの組み入れ銘柄数が関係しています。
テクノロジーセクターの割合が1番高い(VTI28.90%/VOO29.20%)ということに違いはないのですが、2番目以降が変わってきます。
VTIの場合、一般消費財16.00%、資本財12.90%、ヘルスケア12.80%となっていますが、VOO/IVVの場合はヘルスケア13.30%、一般消費財12.50%、金融10.70%となります。
VTIとVOOのリスク・リターン比較

次にPortfolio Visualizerを使ってVTIとVOOのリスク・リターンの比較を行っています。
VTIとVOOに一括投資した場合のリスク・リターン比較
まずは2010年に設定されたS&P500に連動するETF『VOO』と比較を行っていきます。
下記画像は最初に一括で$10000をVTIとVOOに投資した場合の比較になります。
期間は2010年12月31日~2021年12月31日までとなっています。
青色のチャートがVTI、赤色のチャートがVOOになります。
CAGR(年平均成長率)に関してはVTIが14.80%、VOOが15.10%とVOOの方がわずかにリターンが高いという結果になっています。
Maxドローダウンに関してはVTIが-20.84%、VOOが-19.58%となっており、こちらもVOOの方がわずかに優秀という結果となっています。
これらの結果からも分かりますが、シャープレシオ(Sharpe Ratio)はVOOの方が高くなっています。
・そのリターンを得るためにどれぐらいのリスクを取っているかを計測するための指標。
・数値が高いほど、リスクのわりにリターンが高いことを表す。

ちなみにインカムゲインは下記画像のようになっています。
こちらに関しても青色のグラフがVTI、赤色のグラフがVOOとなっています。

VTIとVOOを積立投資した場合のリスク・リターン比較
下記画像はVTIとVOOに毎月$1000を積立投資した場合の比較になります。
先ほどと同じように青色のチャートがVTI、赤色のチャートがVOOになっています。
一括投資した場合はVTIとVOOのCAGRの差が0.3%ほどありましたが、積立投資をした場合は差が0.24%と少しだけ縮まりました。
チャートを見てもらうと分かりますが、一括投資の場合はVTIとVOOのチャートの差が少しありましたが積立投資の場合はチャートが重なっており、差がほとんどないといった状態になっています。

VTIとVOOの比較まとめ
・2010年12月31日~2021年12月31日の期間に関しては、VTIとVOOに一括投資をした場合はVOOの方が少しリターンが高くなるが、積立投資をした場合のリターンはそれほど変わらない。
・リスクに関しては小型株や中型株を含むVTIの方がMaxドローダウンが高くなっているため、VTIの方がリスクが大きいと言える。
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VTIとIVVのリスク・リターン比較

最後にPortfolio Visualizerを使ってVTIとIVVのリスク・リターンの比較を行っています。
VTIとIVVに一括投資した場合のリスク・リターン比較
前項ではVTIとVOOを比較した結果、VOOの方が優秀という結果になりましたが、次はVOOと同じくS&P500に連動するETF『IVV』との比較を行っていきます。
VOOとIVVは設定日が違い、VOOが2010年9月7日に対してIVVは2000年5月15日となっております。
VTIとIVVの比較を行うことで、20年以上の期間を比較することが出来ます。
下記画像は最初に一括で$10000をVTIとIVVに投資した場合の比較になります。
期間は2001年12月31日~2021年12月31日までとなっています。
青色のチャートがVTI、赤色のチャートがIVVとなっています。
CAGR(年平均成長率)に関してはVTIが9.91%、IVVが9.52%とVTIの方がわずかにリターンが高くなっています。
Maxドローダウンに関してはVTIが-50.84%、IVVが-50.78%となっており、こちらに関してはほんの少しですがIVVの方が優秀となっています。
シャープレシオに関してはVTIが0.63、IVVが0.62とVTIの方がリスクに対してリターンが大きいという結果になりました。

ちなみにインカムゲインは下記画像のようになっています。
こちらに関しても青色のグラフがVTI、赤色のグラフがIVVとなっています。

VTIとIVVを積立投資した場合のリスク・リターン比較
下記画像はVTIとIVVに毎月$1000を積立投資した場合の比較になります。
先ほどと同じように青色のチャートがVTI、赤色のチャートがIVVになっています。
一括投資した場合はVTIとIVVのCAGRの差が0.39%ほどありましたが、積立投資をした場合は0.05%と差がほとんどないといった状態になりました。
CAGRに差がほとんどないということからも分かるように、チャート自体も基本的に重なっているので、積立投資をした場合はVTIとIVVに違いはほとんどないということになります。

VTIとIVVの比較まとめ
・2001年12月31日~2021年12月31日の期間に関しては、VTIとIVVに一括投資をした場合はVTIの方が少しリターンが高くなるが、積立投資をした場合のリターンはほとんど変わらない。
・リスクに関しては小型株や中型株を含むVTIの方がMaxドローダウンがわずかに高くなっているため、VTIの方がリスクが大きいと言える。
まとめ

今回は米国市場全体に投資が出来るETF『VTI』とS&P500に連動するETF『VOO/IVV』の比較を行ってきました。
一括投資をする場合は、2010年12月31日~2021年12月31日の期間ならVOOの方がリターンが高くなりますが、2001年12月31日~2021年12月31日の期間に関してはVTIの方がリターンが高くなります。
一方で積立投資をした場合はどちらの期間でも2つのETFにはほとんど差が出来ないといった状態になりました。
そのため一括投資をする場合は、米国市場全体に投資をするか米国を代表する500社に投資をするのかという観点で選んでもらえればよいと思います。
アップルやマイクロソフトなどの各銘柄への投資割合が比較的高い方が良いという方はVOO/IVVに投資をするか、もっと割合が高くなるQQQに投資をするのがおすすめです。
今回自分が比較に使ったPortfolio Visualizerを使ってみたいという方はこちらからまた下記リンクからご覧ください。
自分は毎月、購入した銘柄や受け取った配当金、保有銘柄についてブログで報告を行っています。
もし自分の保有している銘柄について知りたいという方がいましたら『【高配当株式投資進捗】2022.4月の投資進捗と現在の金融資産額、トータルリターンについて』の方をご覧ください。
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最後までお読みいただきありがとうございました!
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