こんにちは、AYLBlog を運営しているRyoです。
今回はキャピタルとインカムを両取り出来るETF『JEPI』について解説していきます。
この記事は下記のようなことを知りたい方におすすめの記事になっています。
▷ JEPIの基本情報
▷ ELN(equity-linked notes)について
▷ JEPIの特徴
▷ JEPIのセクター構成比率
▷ JEPIの組み入れ銘柄TOP10
▷ JEPIの株価推移や配当金推移
▷ JEPIの年平均リターン
▷ JEPIXとXYLDの比較
JEPIの基本情報

まず初めにJEPIの基本情報について解説していきます。
JPモルガンアセットマネジメントが運用するアクティブ型インカムETF
名称:JPMorgan Equity Premium Income ETF(JPモルガン・エクエティ・プレミアム・インカムETF)
運用方針①:オプションの販売(ELN)と米国の大型株式への投資を組み合わせて、オプションのプレミアムと株式の配当から毎月収益を得る(ELNと株式の割合は20:80になるように調整)
運用方針②:魅力的なリスク・リターン特性を持つ過大または過小評価された株式を特定するように設計された独自のリサーチ・プロセスにより、分散された低ボラティリティーの株式ポートフォリオを構築
運用方針③:毎月の収入に加えて、S&P500インデックスのリターンの大部分を、より低いボラティリティで提供することを目指す
運用会社:J.P.Morgan ASSET MANAGEMENT(JPモルガンアセットマネジメント)
ファンドの設定日:2020年5月20日
組み入れ銘柄数:111銘柄
純資産総額:8586億円(2022/3/18の為替レート換算)
経費率:0.35%
直近配当利回り:9.14%
配当金支払月:毎月分配
ELN(equity-linked notes)とは
JEPIの特徴としてポートフォリオにELN(equity-linked notes)を採用している点だと思います。
ELNとは一般的に特定の株式や株価指数に連動するに設計され、指定された株式や株価指数のパフォーマンスに応じて金利が貰える債券(仕組債)のことになります。
JEPIが投資しているELNはS&P500に連動するようになっており、さらにオプション取引(コール・オプションの売り)を行うように設計された特別なデリバティブ商品になります。
これによりS&P500よりもボラティリティを抑え、かつ毎月安定した収益を得ることを可能にしています。
JEPIの特徴
ELNの採用
JEPIではELNを採用しており、このELNによって高配当を実現しています。
前述したようにELNとは特定の株式や株価指数に連動するに設計され、指定された株式や株価指数のパフォーマンスに応じて金利が貰える債券(仕組債)のことです。
JEPIが保有しているELNは金利が30%~50%の物が多く、これをポートフォリオの20%までとなるように調整をしています。
キャピタルゲインとインカムゲインの両取りが出来る
JEPIはファンドマネージャーが選んだ銘柄(主にS&P500に採用されている銘柄)を80%保有し、ELNを20%を保有しています。
これにより株式から得られるキャピタルゲインとELNから得られるインカムゲインの両取りを可能にしています。
さらにELNは金利がかなり高いため、配当利回りも7%とかなりの高水準となっています。
運用コストはやや高め
JEPIはアクティブ運用ということもあり経費率が0.35%となっています。
米国の有名なETFであるVTIやVOOはパッシブ運用となっており、経費率が0.03%とかなり低コストとなっています。
経費率はパフォーマンスが良い時も悪い時もかかってくるものになるため、経費率は出来る限り低い物がおすすめとなります。
JEPIのセクター構成比率

次にJEPIのセクター構成比率について解説していきます。
JEPIのセクター構成比率
下記画像はJEPIの2021年10月21日時点でのセクター構成比率になります。
Otherの割合がELNの割合になっていると思います。
JEPIの運用ではELNを上限20%と決めて運用を行っているそうです。

JEPIの組み入れ銘柄TOP10

次にJEPIの組み入れ銘柄TOP10について解説していきます。
JEPIの組み入れ銘柄TOP10
下記画像はJEPIの2021年10月21日時点での組み入れ銘柄TOP10になります。
SPX_8、SPX_9、SPX_15、SPX_14が上位を占めていますが、こちらがELNになります。
他にはS&P500に採用されているMSFTやGOOGLが上位に入ってきています。

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JEPIの株価推移や配当金推移、年平均リターン

次にJEPIの株価推移や配当金推移、年平均リターンについて解説していきます。
JEPIの株価推移
下記画像はJEPIの設定来の株価推移になります。
ファンドが設定されてからまだ1年半しか経過していませんが今のところは右肩上がりを続けています。
株価のみのCAGR(年平均成長率)は10.08%となっています。

下記画像はJEPIが設定されてからのVOOとの比較チャートになります。
青色のチャートがVOO、赤色のチャートがJEPIになります。
VOOのリターンが15.92%に対して、JEPIのリターンは11.76%と差はあるもののQQQとQYLDみたいな明らかな差があるわけではないようです。
Maxドローダウンに関してはVOOが-4.66%に対して、JEPIは-4.15%とVOOよりも抑えられていることが分かります。

JEPIの配当金推移
下記画像はJEPIの設定来の配当金推移と増配率になります。
左の数値は1株当たりの配当金($)を示しており、右の数値は増配率(%)を示しています。
しかし、ファンドが設定されてからの日が浅く、データが少ないためこのような表になってしまっています。

下記画像はJEPIの各月ごとの配当金推移になります。
さすがに毎月配当だと増配率まで表示すると見にくくなってしまうので、配当金推移のみを表示させています。
こちらに関してもデータがまだ少ないためこのような表になってしまっています。
現時点で分かることは1月の配当金が12月の月末に発表があるということ、JEPIの配当金はELNに依存しており、2021年は2020年に比べてELNの利回りが下がっているということです。
そのため、1回あたりの配当金は2020年に比べて2021年の方が下がっています。

JEPIの年平均リターン
下記画像はJEPIの年平均リターンになります。
現時点では設定来で22%以上のリターンがあるということでS&P500に10%以上の差があるものの、配当利回りが6%あるということを考えるとかなりのいい成績になっていると思います。
ただし、超短期的な成績なので今後の動きを継続して見ていく必要があります。

JEPIXとXYLDの比較

最後にJEPIXとXYLDの比較を行っていきます。
JEPIXとXYLDの比較
なぜJEPIとXYLDではないかと言うと、JEPIだと設定されてまだ日が浅すぎるのでデータが少なく比較が出来ないからです。
JEPIXというのは2018年8月31日に設定されたJEPIと同じコンセプトの投資信託になります。
ただしポートフォリオは全く同じというわけではないのであくまでもおおよその比較になります。
JEPIXについて知りたい方はこちらから、または下記リンクからご覧ください。
下記画像がJEPIXとXYLDの比較チャートになります。

青色のチャートがJEPIXで赤色のチャートがXYLDになります。
こちらは配当金を再投資した時のトータルリターンチャートになるんですが、見て分かる通りXYLDはJEPIXに大きく引き離されています。
年平均リターンで言うとJEPIXが15.26%、XYLDが9.86%となっています。
やはりポートフォリオの80%を現物株式にすることがかなりキャピタルにいい影響を与えているのではないかと思います。
ただしこちらも3年ほどのデータしかないので今後この差がどんどん埋まっていくのか、それとも広がっていくのかはまだわかりません。
まとめ

今回はキャピタルゲインとインカムゲインの両取りが出来るETF『JEPI』について解説してきました。
JEPIはファンドの設定日が2020年5月20日と日が浅いETFであるため、このETFが優秀であるかの判断はまだ出来ません。
株価は今のところ右肩上がりを続けていますが、配当金推移に関しては減少傾向にあります。
ただし配当利回りについてはELNに依存しており、JEPIが保有しているELNはS&P500のコールオプションの売りを行うように設計されているため、市場のボラティリティによって変動します。
コールオプションなどのオプション取引について詳しく知りたい方は『【オプション取引】カバードコール戦略の概要やメリット、デメリット、利用しているファンド(米国ETF)について解説』の方をご覧ください。
QYLDやXYLDのように株価指数のオプション取引を活用した、株価を多少犠牲にしてでも超高配当が貰える銘柄への投資を考えている人にとってはオススメになると思います。
QYLDについて詳しく知りたい方は『【米国ETF】配当利回り10%!一括投資が一番効果的?QYLDの株価や配当金、連動指数、年平均リターンなどの基本情報について徹底解説』の方をご覧ください。
XYLDについて詳しく知りたい方は『【米国ETF】配当利回り8%!XYLDの株価や配当金、連動指数、年平均リターンなどの基本情報について徹底解説』の方をご覧ください。
ただし、JEPIXの方がXYLDよりもトータルリターンがいいので個人的にはJEPIの方がリターンが良くなるのではと思っています。
もし自分の保有している銘柄について知りたいという方がいましたら『【高配当株式投資進捗】2022.4月の投資進捗と現在の金融資産額、トータルリターンについて』の方をご覧ください。
投資進捗では毎月購入した銘柄や受け取った配当金、MYPFのトータルリターンなどについての報告を行っています。
みなさんの投資の参考になれば幸いです。
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最後までお読みいただきありがとうございました!
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